ふるやの森

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オーバー・ザ・ガーデンウォールのパイロット版「Tome of the Unknown」翻訳メモ

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「オーバー・ザ・ガーデンウォール」のパイロット版「Tome of  the Unknown」はyoutubeで無料で見ることができますが、吹き替え版や日本語字幕はありません。そこで、セリフを書き起こして日本語に訳してみることにしました。

書き起こしはyoutubeの字幕自動生成機能を利用して抽出したテキストをベースに、自分でもセリフを聞き取ったりして修正を加えています。

ちなみに、このパイロット版は正式シリーズ化した「オーバー・ザ・ガーデンウォール」とキャラクターのイメージなどほとんど違わないように見えますが、ストーリーの前提が結構異なっています。「Tome of Unknown」と呼ばれる不思議な本に記された物語を、ワートとグレッグたちが体験していく…というようなストーリーだったようです。

 

※間違いや改善のご意見がありましたら、コメント欄で教えて頂けると助かります。


 

somewhere. lost in the clouded annals of history lies a place called the unknown.where long forgotten stories are revealed to those who travel through the wood.

<ナレーション>いずこかに…薄暗い歴史の中に埋もれてしまった「名も無き地」と呼ばれる場所がある。長く忘れ去られていたこの物語を明らかにするのは、森を旅する者たちだ。

 

here we come upon beatrice wirt and gregory. wandering onwards seeking to find a strange book. containing all that has ever been forgotten.

<ナレーション>ここで私たちは、ベアトリス、ワート、そしてグレゴリーと出会う。
さまよい歩いた先に、不思議な本がある。これまで忘れ去られてきたもの全てを含んでいる。

 

(森のなかを行くワート、グレッグ、カエル、ベアトリス)

wirt:searching for the "tome of the unknown" sure requires a lot of walking.
ワート:『名も無き書』を探すのに、たくさん歩かないといけないんだな。

beatrice:we'll be there soon enough.
ベアトリス:すぐに着くわよ。

greg:maybe we could ride on a goose.
グレッグ:ぼくたちガチョウに乗れたりするかもね。

wirt:probably too small greg.i think a horse would probably work better or meybe all we need to do is like…
ワート:ガチョウは小さすぎるぞグレッグ。馬の方がうまく乗れるだろうし、僕たちがやらなきゃならないのは…。

グレッグの姿が消えている)

wirt:hey! where'd greg go?

ワート:ねえ!グレッグはどこに行った?

 

(グレッグの叫び声が聞こえてくる)

wirt:Greg!

ワート:グレッグ!

(駆け出したワート、グレッグの声が聞こえてくる家にたどりつき)

wirt:Greg!

ワート:グレッグ!

(家の門を開けて敷地に入ると、庭でグレッグがリンゴを食べている)
wirt:Greg! are you what's?
ワート:グレッグ!おまえどうしたんだ!

(笑顔で叫ぶグレッグ)

wirt:why are you screaming?
ワート:なんで叫んでるんだよ?

greg:because look what i found a bunch of vegetables shaped iike a car.we're one step closer to finding a goose!
グレッグ:車の形をした野菜の束を見つけたんだよ!ぼくたちガチョウを発見するために一歩前進したね!

(戸惑うワートをしり目に、グレッグは野菜カーのクランク棒を回している)

wirt:ah what?
ワート:何やってるんだ?

greg:you can crank it and you can eat it.
グレッグ:回すこともできるし、食べることだってできるよ。

(ワートも野菜カーに近寄って、ハンドルやレバーを触ってみる)

wirt:how in the...greg! this is amazing. it works.
ワート:一体全体…グレッグ!…これは素晴らしいぞ。やったな。

greg:huh? yeah.

グレッグ:えっ?うん!

wirt:this is amazing 
ワート:これは素晴らしいぞ。

greg:if you like that you should see the man.
グレッグ:それが気に入ったんなら、あの人に会わないと。

wirt:what man?
ワート:どの人だい?

greg:the vegetable man.
グレッグ:野菜の人。

 

(野菜でできた身体を持つ男ジョンが、歌をうたいながら庭へと入ってくる。ジョンの歌を聞いて、グレッグとカエルは踊り出し、庭の猫は涙する)

john:Can't you see I'm lonely?
ぼくが孤独なのがわからないかい?

Lonely as can be
このうえなく寂しいんだ

for I'd want you only
ぼくが欲しいのはあなただけだから

There's no one else for me
ぼくには他に誰もいない

And you know it
あなたも知っているだろう

Sometimes, Dear, I wonder
時々優しくて ぼくは不思議に思う

Why you keep away
なぜあなたは遠ざかるのか

Leaving me so lonely
1人残された僕は孤独で

Lonely night and day.
昼も夜も寂しいよ

 

(拍手するワートたち)

john:oh that's enough that's enough now.now what are you folks doing out here in the middle of nowwhere listening to paul john crops singing his sad songs to himself.
ジョン:ああ、もう十分だよ、もう十分だから。さて、君たちはこんな田舎で、ポール・ジョン・クロップスが彼のために歌う悲しい歌を聞きながら、何をしてるんだね?

wirt:acutually we were just about to take off in this nice vegetable car.
ワート:ちょうど、このカッコいい野菜カーで出発するところだったんです。

John:you mean my vegetable car?
ジョン:君が言ってるのは、ぼくの野菜カーのことかい?

wirt:i…can we have it?.
ワート:…これ、ぼくたちがもらってもいいでしょうか?

John:hold on! i myself always had a mind to drive this clunk into the big city and leave this lonely old country life behind.maybe find a gal who liked my company.but that ain't in the cards for me i suppose.

ジョン:ちょっと待った!ぼくはいつも、このオンボロ車に乗って大都市に繰り出して、孤独で古くさい田舎の生活を後にしたいと思ってたんだ。そして、もしかしたらぼくと一緒にいるのが好きな女性が見つかるかもしれないってね。でも、それはぼくには無理な話だな。

wirt:uh.we could bring you to the city and if you to stay there then we can keen the car?
ワート:あー…。町までお連れしますし、もし滞在するんだったら、そのあいだ車をお預かりしますけど?

John:well.yes i could give it a go.
ジョン:そうだな…行くとするか。

greg:do they have geese in the big city?
グレッグ:大都市の人ってガチョウを飼ってるの?

John:i never heard there ain't geese in the big city.
ジョン:大都市にガチョウがいないなんてことは、聞いたことないね。

greg:to the city!
グレッグ:町へ行こう!

 

with everyone in agreement they all climbed into the old vegetables. waved goodbye to the garden cat.and drove off down the road towards town.

<ナレーション>皆は意見が一致して、古い野菜に乗り込んだ。庭の猫にさようならと手を振り、町に続く道を走り去っていった。

 

(野菜カーで町へと走り出したワートたち。だんだん夜が近づいて暗くなってくる)

beatrice:don't crash wirt.don't crash...
ベアトリス:ぶつけないでよ、ワート。ぶつけないでね…。

john:john crops goes to town.
ジョン:ジョン・クロップスは町へと繰り出すぞ。

wirt:so john crops…uh…do you have like internal organs?
ワート:それでジョン・クロップス…きみには内臓みたいなものはあるの?

john:well...i don't rightly know to be honest.
ジョン:うーん…正直言ってよくわからないんだ。

wirt:yeah! okay.
ワート:ああ!わかったよ。

john:hey now. I do believe we should be coming up town shortly.
ジョン:そろそろ町に着くはずなんだけどな。

wirt:already all I see around here our farms.
ワート:このあたりは農地しかないよ。

(眼前にカラスの群れが現れ、大声であわてるグレッグ。カラスを避けようとした野菜カーは道をそれて畑につっこみ、カカシに衝突して止まる)

wirt:shoot.everybody out I gotta fix it.
ワート:ぶつけちゃった。みんな降りて。ぼくが修理する。

(野菜カーからおりたグレッグ、あたりの畑を見回す)

greg:so this is the big city. I wasn't expecting it to look so much like the opposite of a big city.
グレッグ:ここが大都市なんだぁ。「大都市」と正反対みたいに見えるものだとは、思ってなかったなあ。

john:no. over here this is a big city.
ジョン:違うよ。大都市はこっちだ。

(ジョンが畑の作物をかきわけると、ジョンと同じような野菜人の住む町が見えてくる。広場ではバンドが音楽を演奏し、野菜たちが憩いのひとときを過ごしている)

john:look at the fine ladies and gents putting on to put on.
ジョン:上品な紳士淑女たちの着こなしを見たまえ。

beatrice:too bad you have to go fix the car.
ベアトリス:残念だけど、あんたは車を修理しなきゃいけないわね。

 

so while wirt and Beatrice set to work repairing their vehicle.
<ナレーション>それで、ワートとベアトリスは車の修理に取り掛かった。

(野菜カーのタイヤを外して確認するワート)

wirt:cucumber. 
ワート:キュウリか。

beatrice:taste it.
ベアトリス:味見してみて。

(ワート、舌を出して舐めてみようとする)

 

Gregory and John crops took in the sights of the big city.

<ナレーション>グレゴリーとジョンは、大都市の景色を眺めていた。

 

greg:what do you think?
グレッグ:どう?

john:i'm thinking it's a my upscale for the likes of me.
ジョン:ぼくみたいな者には高級すぎると思うな。

greg:yeah.i don't see any geese.
グレッグ:うん。ガチョウが見当たらないね。

john:you know maybe i'd better just go on back home where i belong.

ジョン:たぶん、ぼくは自分の家に帰ったほうがいいんだと思う。

(よそ見をしていたジョン、キャベツレディとぶつかる)

john:oh beg your pardon man.
ジョン:おっと失礼いたしました。

(紳士的に謝罪するジョンを見て、微笑むレディ)

 

経営者:ladies and gentlemen!ladies and gentlemen your attention please.the management regrets to inform you that tonight's entertainm­ent has come to an end due to unforeseen circumstances.

経営者:ご来場の皆様!経営陣は、不測の事態により今夜のエンターテイメントが終了しましたことをお詫び申し上げます。

(バンドのメンバーであるトウモロコシが、頭に花がポンポンと咲いて気分悪そうにしている)

経営者:that is unless someone in the audience can play a hot rythm.
経営者:けれども、ご観客のどなたかにホットなリズムを演奏して頂けるのなら、その限りではありませんが…。

 

greg:That's you Crops! Go croon a tune under the moon with a raccoon, eating prunes with a spoon in a balloon with baboons watching cartoons!
グレッグ:それは君だよクロップス! ラクーンと一緒にムーンの下でチューンをクルーンして、カートゥーンを見ているバブーンと一緒にバルーンに乗ってスプーンでプルーンを食べよう!(アライグマと一緒に月の下で歌をうたって、漫画を見ているヒヒと一緒に気球に乗ってスプーンでプルーンを食べよう!)

john:me? 
ジョン:ぼくが?

ladie:why,sir, you're a musician?

レディ:どうして?あなた様は音楽家なんでしょう?

john:well shucks.I do play a little.
ジョン:ええ…まいったな。たしなむ程度ですよ。

(彼女が笑い、ジョンも嬉しくなる)

 

meanwhile.

<ナレーション>一方その間に…。

 

(修理のため車体の下に潜り込んでいたワート、出てくる)

wirt:I'm stumped. it's all just vegetables to me.
ワート:困ったな。僕にとってはただの野菜としか思えないよ。

beatrice:I'll say.you don't even know how to start the engine.
ベアトリス:まったく。あんたって、エンジンのかけ方も知らないのね。

wirt:I do know how to start the engine. you just...Oh!
ワート:エンジンのかけ方は知ってるよ。きみって、ただ…あっ!

(ワート、クランク棒の存在に気づき、棒を回す)

 

off they went to find Gregory without realising the havoc. they were bringing with them.
<ナレーション>ワートたちは大混乱には気づかず、グレゴリーを探しに行った。ワートたちは「彼ら」を連れてきてしまったのだ。

(ワートが野菜カーで走り出すと、カラスの群れが遠くから飛んでくる)

 

(ワートたちが広場に着くと、空はカラスでいっぱいになっている)

wirt:that's a lot of crows.
ワート:カラスの大群だ!

 

(カラスたちが地面に降りてきて、野菜人たちを脅かし始める)

wirt:the crows are landing! 
ワート:カラスが上陸してきた!

 

(さらに七面鳥までもが現れる)

beatrice: ※

※このベアトリスのセリフがよくわかりませんでした。「~face!」と言っているようなのですが…。

wirt:oh heck no.
ワート:なんてこった!

(転回して走り出す野菜カー)

 

(広場に座ってがっかりしているグレッグと、カエル)

greg:not a single goose in the whole city.doctor.
グレッグ:町のどこにも一羽のガチョウもいないよ、ドクター。

(グレッグを迎えにワートたちが野菜カーでやってくる)

wirt:greg! get it! we're leaving!
ワート:グレッグ!乗って!出発するぞ!

(ためいきをつきながら乗り込むグレッグ)

wirt:where john crops?
ワート:ジョンクロップスはどこだ?

greg:near the thing with cabbage ladie.
グレッグ:キャベツレディの近くだよ。

 

(鳥たちの襲撃のさなかジョンとバンドは演奏を続けており、ジョンの歌にキャベツレディがうっとりとしている)

john:So shine on Shine on harvest moon,up, in the sky...

ジョン:秋の月は空高くに輝いて…


wirt:john!  we're leaving!
ワート:ジョン!出発するよ!

 

(ワートの声が届かず、いっしょに歌い続ける二人)

john&ladie:I ain't had no lovin' since may..,(聞き取れず)…july

ジョン&レディ:5月………か7月以来、ぼくは愛されていない…

※歌詞を検索するとここの箇所は「I ain't had no loving since January February, June or July」なのですが、このパイロット版ではどうも「since may」と言ってるように聞こえます。また、mayの後の歌詞がセリフと被っていてよく聞き取れませんでしたが、最後はやはり「july」のようです。

 

beatrice:he seems happy enough. let's just go.
ベアトリス:彼は幸せそうよ。さあ、行きましょ。

wirt:no we can't just...
ワート:いやそんなことはできないよ…。

(背後でカラスが威嚇してきて、ワートも慌てて承諾する)

wirt:yep! okay.

ワート:うん、わかった。

 

(ワートたちは野菜カーで走り出すが、ワニやカラスや七面鳥に取り囲まれて野菜カーが食われてしまう。必死で防ごうとするワート)

wirt:no no no don't eat it! stop!
ワート:だめ、だめ、だめ、食べるんじゃない!やめろ!

(何かに気づいたグレッグが、車を降りて畑の中にはいっていく)

wirt:stop! hey where greg go? 
ワート:ねえ!グレッグはどこ?

beatrice:just jumped out to the car and ran off.
ベアトリス:車から飛び降りて、逃げたわ。

 

(グレッグの叫び声があたり一面に鳴り響く)

wirt:greg!

ワート:グレッグ!

 

(ワートもグレッグを追って畑の中を駆けてゆく)

wirt:greg! greg!....

ワート:グレッグ!グレッグ!…

 

(なおもグレッグの叫び声は続き、鳥たちをおののかせる)

wirt:greg!

ワート:グレッグ!

 

(ようやくワートがグレッグを見つけると、グレッグは叫び声をあげながら両手を振って喜んでいる)

wirt:what what?

ワート:なんだ、どうしたんだ?

greg:goose.

グレッグ:ガ・チ・ョ・ウ!

(グレッグは乗れるくらい大きなガチョウを見つけたのだった。ワートとベアトリスはホッとして笑い合う)

 

and that's just about where our story ends. the crows and animals were terrified.leaving the city never to return.

<ナレーション>これで、私たちの物語は終わりだ。カラスや動物たちは怯え、町を離れて二度と戻ってこなかった。

(グレッグの叫び声におびえて逃げ去っていく動物たち)

 

John crops and his girl moved back to the country. where life was a little more peaceful. 

<ナレーション>ジョン・クロップスとその妻は、田舎へと戻った。もう少し平和に暮らせる場所へと。

(野菜カーに座って仲睦まじい様子のジョンとキャベツレディ)

john:see you around folks .
ジョン:また会いましょう、みなさん。

 

and wirt Gregory and Beatrice and goose traveled onwards deeper and deeper into the unknown.

<ナレーション>そしてワートとグレゴリーとベアトリスとガチョウは、「名も無き地」を、奥へ奥へと進んでいった…。