ふるやの森

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【アドベンチャータイム】人の子フィンはミュータント?

アドベンチャータイムのキャラクターの顔は独特です。

主人公フィンの顔は、鼻と眉毛がなくて目も小さく描かれていて、とてもシンプルです。

実は、このフィンの顔について、アドベンチャータイムの設定資料集である「the Art of Ooo」を読むと、原作者のペンドルトン・ウォード氏はこんなことを語っています。

 

Pen Ward: Everything on Ooo is irradiated and mu-tated from the war. That's why there is magic, that's why Princess Bubblegum is made out of gum, and that's why Finn has little black dots for eyes. They're all mutants. But I also drew those dot eyes because I thought they were cute. Simple, minimal features appealed to me... 'cause they were cute, and I like cute-lookin' stuff.

ペン・ウォード氏:ウー大陸のものはすべて戦争で放射線を浴びて、ミュータント化されています。だから魔法があり、プリンセス・バブルガムはガムでできていて、フィンの目が小さな黒い点になっているんです。彼らはみんなミュータントなんです。でも、私がこの点の目を描いたのは、かわいいと思ったからなんです。シンプルで最小限の機能しかないのが魅力的で、かわいいし、私はかわいらしいものが好きだから。

(『the Art of Ooo』78ページより)

(※英語はあまり詳しくないので翻訳サイトを参考に訳しています。間違っとったら教えてください)

 

なんと、フィンのあの目は、彼がミュータントだからなのだそうです。

まあ、ペン氏の発言としては後半のほうが重要で、目を点で描いたのは、第一に「かわいいから」という理由。そもそもアドベンチャータイムが核戦争後の世界って設定も、当初からあったものではなく、「燃えるビジネスマン」回あたりから思いついたそうですし、フィンたちがミュータントであるという設定は飽くまでも後付けですね。核戦争以前の人間であるはずのマーセリンやサイモンの顔もフィンと同じ「点の目」で描かれてますし、それほど徹底されている設定でもないようです。

しかし、このペン氏の発言を踏まえると、「フィンの願い」「ジェイクの願い」等に登場するファームワールドの人々が、はっきりとした大きな目鼻を持っている理由がわかります。

マッシュルーム爆弾が爆発しておらず、ミュータント化していない本来の人間の姿がこれなのでしょう。

Madman Entertainment/『Adventure Time: The Complete Collection』より
(C)Cartoon Network.A TimeWarner Company.

ジェイクはファームワールドのフィンの顔を「全然イケてねえな(mad uglies)」と評し、自分(犬)の姿についても同様に酷評していましたが( I'm mad uglies too!)、すっかりミュータントしかいなくなった世界からすると、かつての生物はもはやヘンテコにしか見えないという美的感覚のズレが示されていて面白いですね。

 

(余談)

↓フィンの顔が単なるデフォルメでなく、実際にああいう造作だとすると、現実にいたらこんな風に見えるだろう…という3Dモデルを作っている方がいました。怖い!